
はじめに:6か月を迎えたMaxとUlty。去勢手術を決意した日
こんにちは、6人家族のパパ、DPです。
今日は我が家のやんちゃなジャックラッセルテリア、Max(マックス)とUlty(アルティ)の、生後6ヶ月の大きな節目についてのお話です。
子犬を迎えて4か月。私たち家族にとって、この時期は**「去勢手術」**という避けて通れない大きなイベントの準備期間でした。多くの獣医師や専門機関が推奨するように、犬の健康管理と行動抑制のために、去勢手術は必要なステップだと考えていました。
MaxもUltyも見た目は元気いっぱい。特にMaxは病院でも「元気すぎる」と言われるほどです。しかし、この去勢手術の事前の血液検査が、Ultyの健康における**「奇跡的な早期発見」**につながるとは、この時誰も想像していませんでした。
この記事では、元気なMaxの去勢手術体験談と、Ultyに判明した肝臓の重大な異常、そして私たちがどう向き合っているかという**実体験**を、専門的な情報を交えて全て公開します。この経験が、これから子犬を迎える全てのご家族の健康管理のヒントとなれば幸いです。
Maxの奮闘記:去勢手術と乳歯抜歯の徹底レポート


術前の徹底準備:費用、検査、そしてペット保険
去勢手術に際して、私たちは信頼できるかかりつけの動物病院と綿密な打ち合わせを行いました。去勢手術は全身麻酔を伴うため、手術前の徹底的な血液検査は必須です。
【DP家が重視したポイント】
- 徹底した術前検査: 血液検査、心電図、レントゲンなどで麻酔リスクを徹底的に評価。
- 麻酔管理: 吸入麻酔や麻酔モニターなど、安全性が高い方法を選択。
- 費用と保険: 高額な手術・検査費用に備え、事前にペット保険を検討済みでした。
Maxは、事前の血液検査を完璧にパス。肝臓、腎臓の数値も問題なく、心臓にも異常なし。元気いっぱいのMaxらしく、安心して手術の日を迎えることができました。

去勢手術と乳歯遺残の同時解決
手術当日、Maxは去勢手術に加え、残っていた乳歯の抜歯も同時に行いました。
- 乳歯遺残とは?: 永久歯が生えた後も乳歯が抜けずに残ってしまう状態です。Maxはまだ6か月なこともあり結構乳歯が残っていました。
- リスク: 残った乳歯と永久歯の間に食べ物が詰まりやすく、歯周病や不正咬合の原因となり、将来的に犬のQOL(生活の質)を大きく下げる可能性があります。
- 推奨: 去勢手術の麻酔時に、一度で乳歯抜歯まで済ませるのが、犬への負担を減らす一般的な推奨方法です。
Maxの手術は成功。乳歯も全て綺麗に抜いてもらい、口の中もスッキリしました。

術後の回復:病院をざわつかせたMaxの回復力
手術を終え、麻酔から覚めたMaxは驚異的な回復力を見せました。
病院から連絡があった際、「他の術後犬に配慮して、あまりに元気すぎるMaxくんを急遽2階の病室に移動させました」と言われるほど(笑)。家族としてはもちろん安心ですが、獣医さんを困らせるほど元気な回復力には驚きました。
エリザベスカラー生活はちょっと大変ですが、Maxも多少慣れたかな。
Ultyに判明した異常:肝臓門脈シャントの疑いとその科学

予期せぬ検査結果:ALTとNH3高値の衝撃
Maxが手術を無事に終える一方、Ultyの去勢手術前の血液検査で、私たちは予期せぬ大きな問題に直面しました。
Ultyは、Maxと比べて体格は良いけど、以前から「少し痩せ気味」と病院で言われていたことから、私たちは念のため**「通常は見ない肝臓機能に関する項目」**を追加でお願いしていました。
その結果、血液検査の以下の項目が異常値を示したのです。
| 検査項目 | 略称 | 正常値の目安 | Ultyの食前値/食後値 | 異常が示す可能性 |
| アラニンアミノトランスフェラーゼ | ALT | 10-100 U/L程度 | 高値 | 肝臓細胞の破壊や炎症 |
| アンモニア | NH3 | 10-70 µg/dL程度 | 食前・食後ともに高値高値 | 肝臓のアンモニア処理能力低下 |
| 総胆汁酸 | TBA | 食前:0-5 µmol/L程度 | 食前・食後ともに高値 | 門脈シャントの可能性が極めて高い |
門脈シャントとは?:アンモニアと毒素処理のメカニズム
特に**NH3(アンモニア)とTBA(総胆汁酸)が高値であることは、肝臓が血液中の毒素を処理できていない可能性、すなわち「門脈シャント(Portosystemic Shunt: PSS)」**の疑いを強く示唆します。
【門脈シャントのメカニズム】
- 正常なルート: 腸で吸収されたアンモニアなどの毒素を含む血液(門脈血) → 肝臓で解毒・処理 → 全身へ。
- シャント血管の存在: 異常な血管(シャント血管)が、肝臓をバイパスして血液を全身に流してしまう。
- 結果: 毒素が解毒されずにそのまま全身(特に脳)を巡り、**「肝性脳症」**という神経症状(痙攣、ふらつきなど)を引き起こす危険があります。
- 科学的特徴: 門脈シャントがある子犬は、肝臓に栄養が届かないため、**肝臓が小さくなる(萎縮)特徴があります。Ultyの場合も、エコーとレントゲン検査で「肝臓が通常の3分の2程度の大きさ」**であることが判明しました。
これらの結果に基づき、Ultyの去勢手術は即座に延期となり、門脈シャントの診断と治療を最優先することになりました。
早期発見の科学:全ての飼い主に強く推奨する検査項目

「元気だから大丈夫」ではない!TBA検査の重要性
Ultyは食後のTBAとNH3の値が高いにも関わらず、現状はMaxと同じくらい元気いっぱいで、病気の症状がほとんど出ていません。
門脈シャントの早期診断において、最も重要で、かつ多くの飼い主が見落としがちなのがTBA(総胆汁酸)検査です。
- TBA検査の仕組み:
- 胆汁酸は肝臓で作られ、食後に腸で消化を助け、その後、門脈を通って肝臓に戻ってリサイクルされます。
- シャント血管があると、胆汁酸が肝臓に戻れず、そのまま全身を巡ってしまうため、食後のTBA値が異常に高くなります。
- 早期発見への貢献:
- 症状が出る前(特に若齢犬)にTBA検査を実施することで、病気を高確率でスクリーニングできます。私たちがこの検査を追加でお願いしていなければ、Ultyの病気は肝性脳症の症状が出てから(つまり病気が進行してから)でないと気づけませんでした。
若齢の子犬の去勢・避妊手術前や、健康診断の際には、「食前・食後のTBA検査」を獣医師に依頼し、門脈シャントの早期スクリーニングを行うことを強く推奨します。これは、高額なCT検査を行う前に、病気を強く疑うための極めて重要な科学的根拠に基づく検査です。
確定診断と治療方針:専門医との連携
現在、Ultyは「門脈シャントの疑い」が極めて高い状況ですが、正確な治療方針を決定するためには、シャント血管の位置や本数を特定する高度な確定診断が必要です。
- 内科治療の開始: まずは肝臓への負担を減らすため、タンパク質を制限した療法食による食事療法と、アンモニアの吸収を抑える薬(ラクツロースなど)による内科治療を開始しました。
- CT検査(造影CT)の予約: 外科手術の必要性を判断するため、シャント血管の位置を正確に特定するための高度な**CT検査(造影CTアンギオグラフィー)**の予約を進めています。
- 専門医の受診: 門脈シャント治療の専門性が高い獣医師のセカンドオピニオンを含め、治療方針を確立します。


家族の生活:不安と希望、そして命の大切さ

6人家族+2匹の日常と向き合う
Ultyの病気が判明し、私たち6人家族は大きな不安に包まれました。特に、UltyはMaxと同じくらい元気で、走り回り、飛び跳ねる姿を見ていると、「本当に病気なのか?」と疑ってしまうほどです。
しかし、これは症状が出ていないだけで、体の中で深刻な問題が進行しているという現実です。私たちは、この病気と向き合う決意をしました。
- 食生活の変化: Ultyだけでなく、Maxも含めた犬たちの食事を、獣医師の指示に基づき、肝臓に優しい療法食中心に切り替えました。
- 家族の役割: 小さな子供たちにも、Ultyが特別な病気と闘っていることを伝え、優しく見守ること、そして食事を勝手に与えないことの重要性を理解してもらっています。
- 薬の投与: 毎日の投薬と体調チェックは、家族全員で分担し、Ultyを支えています。
この「6人家族のLife Labo」では、Ultyの病状、療法食、かかった医療費、そして私たちの不安な気持ちも含めて、**全て隠さずに**発信していきます。(https://hshfii-orpsp.fun/)
命を守るための「危機管理」と「節約」の裏ワザ
犬のUltyのケースのように、ペットの健康管理は命に関わります。そして、その命を守るための電気代や医療費は、家計に重くのしかかる課題です。
実は、私たちのもう一つのブログでは、チンチラの命に関わる温度・湿度管理を徹底しつつ、年間12,000円を節約したDIY裏技を公開しています。このノウハウは、犬や他の小動物の飼い主さんにも応用可能で、**「健康と節約」**を両立させる危機管理術です。
👉 電気代を節約しつつ、ペットの命を守るDIY術はこちら! チンチラ冬の電気代節約!プラダンDIY術 | チンチラのぴょん吉
わんことの暮らしを深く知る:MaxとUltyの物語
👉 MaxとUltyの「初めてのお迎え」記事はこちらから!マックス&アルティ(わんこ)との暮らし | 6人家族のLife Labo
- 家族の一員として迎える覚悟と準備: 命と向き合う責任感、そして何気ない日常の幸せを再認識するために、お迎え時の記事をぜひご覧ください。
- 多頭・多種飼育のリアルな日常: チンチラのぴょん吉、わんこのMaxとUltyが共存する6人家族のドタバタな日常を知ることで、あなたのペットとの暮らしのヒントが見つかるかもしれません。
まとめ:早期検査が未来を変える

犬の健康管理チェックリスト
| 項目 | Max(去勢手術済み) | Ulty(門脈シャント疑い) | 飼い主への重要メッセージ |
| 去勢手術 | 完了(麻酔時に乳歯抜歯も完了) | 延期(肝臓治療を優先) | 手術前の血液検査は命を守る最後の砦 |
| 健康状態 | 極めて良好 | 症状なし、早期発見、治療を開始 | 「元気だから大丈夫」ではない。早期スクリーニングを推奨。 |
| 今後の予定 | 特になし | CT検査、専門医による確定診断、治療方針の決定 | 症状がなくてもTBA検査を依頼すること! |
このUltyの**「奇跡の早期発見」は、私たちが去勢手術前の血液検査で一歩踏み込んでTBA検査**を依頼したからこそ得られた結果です。
これから子犬を迎える全ての人にとって、**「早期検査の重要性」**を再認識するきっかけとなりますように。Ulty、これから家族みんなで病気と闘い、この経験を価値ある情報として発信し続けるよ。頑張ろうね!
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