6人家族の大切な一員、愛犬アルティの脾静脈シャント手術記録

マックス&アルティ(わんこ)との暮らし

🌟 導入:多飲と低体重から始まった、愛犬アルティの「門脈シャント」との闘い

6人家族の我が家には、やんちゃなジャックラッセルテリアが2匹います。甘えん坊のマックスと、やんちゃなアルティです。

先月、生後7か月のアルティが大きな手術を受けました。病名は**「脾静脈-後大静脈シャント」**。犬の先天性疾患の中でも、診断が難しく、命にも関わる大変な病気です。

診断を受けた時、私たち家族は言葉を失い、深い不安に襲われました。しかし、今は胸を張って言えます。


✨ 【結論】アルティは無事に手術を乗り越え、驚くほど元気に回復しています! ✨

この記事では、私たち家族が経験した、アルティの門脈シャント手術について、診断のきっかけ、二次病院を選んだ理由、手術費用、そして術後の予後まで、**経験者**として包み隠さず記録します。

同じ病気で不安を抱えている飼い主様にとって、アルティの経験が少しでも希望の光となり、冷静な判断の一助となることを願っています。


🩺 「おかしい」と感じた初期症状:見逃してはいけないサイン

アルティは兄弟犬のマックスと常に一緒に過ごしており、この比較対象が近くにいたことが、病気の早期発見に繋がったのだと思います。

私たちが「おかしい」と感じ、動物病院で血液検査をお願いするきっかけとなった初期症状は以下の2点でした。

気になったサイン①:異常な多飲と排尿の増加(多飲多尿)

まず気になったのは、水を飲む量が明らかに多いことでした。

水を飲んだ直後から尿意をもよおし、頻繁に排尿をする様子が見られました。水を多く飲むことは、暑い日や激しく遊んだ後にはよくありますが、アルティの場合は日常的に過剰でした。

これは、腎臓が毒素を排出しようと過剰に働いているサインであり、門脈シャントの代表的な症状の一つです。

気になったサイン②:体格と体重のアンバランス

アルティはマックスと比べて、骨格はしっかりしているように見えましたが、どうも体重が乗ってきませんでした。

成長期なのに、フードをしっかり食べている割に、なかなか体重が増えない。これは、本来、肝臓で栄養分が処理され、体全体に送られるべきところ、シャント血管を通じて門脈血が肝臓をバイパスしてしまい、栄養代謝がうまくいっていなかったためです。

これらの症状から、私たちは念のため獣医さんに血液検査をお願いすることにしました。この「念のため」の行動が、アルティの命を救うことにつながりました。


🧬 診断の確定:犬の門脈シャントとは?

血液検査の結果、アンモニア値などいくつかの数値に異常が見られ、すぐに専門的な検査へと進みました。

門脈シャント(Portosystemic Shunt: PSS)の病態

門脈シャントとは、簡単に言えば、消化管から吸収された血液(門脈血)が、本来通過すべき肝臓を通らずに、体循環(大静脈など)へ直接流れ込んでしまう血管の異常です。

  • 肝臓の役割: 消化管から吸収された栄養分を代謝し、アンモニアなどの有害な毒素を解毒する重要な働きをしています。
  • シャントの影響: 門脈シャントがあると、毒素が解毒されずに全身を巡ってしまい、特に脳に影響を与えます(肝性脳症)。また、肝臓に十分な栄養や血流が届かないため、肝臓が小さく未発達のままになってしまいます。

アルティの場合は、**「脾静脈-後大静脈シャント」**という、脾臓の血管が直接、後大静脈に繋がってしまう稀なタイプでした。

確実な診断を下すための検査

最終的な診断のために、以下の検査が必要でした。

  1. 血液検査: アンモニア、胆汁酸などの数値チェック。
  2. 超音波検査(エコー): 肝臓の大きさやシャント血管の有無、位置の確認。
  3. 造影CT検査: シャント血管の正確な位置、走行、大きさ、そして他の血管との関連性を立体的に把握するために必須の検査。(多くの専門医が推奨する診断方法です。)

私たちもこの造影CT検査を経て、アルティが手術を受けなければならないと決心しました。


🏥 二次病院での結紮術を選択。手術費用と病院選びの基準

門脈シャントの根治には外科手術が最も有効です。私たちはすぐに手術を決意しましたが、そのために最も重要だったのが病院選びです。

病院選びの絶対条件:症例数と24時間管理体制

私たちが選んだのは、地域で有名な二次診療施設(高度医療を提供する専門病院)でした。一般の動物病院ではなく、二次病院を選んだ理由は以下の通りです。

  1. 豊富な症例数と経験: 門脈シャント手術は繊細で高度な技術を要します。専門病院は症例数が圧倒的に多く、様々な状況に対応できる経験を持っています。
  2. 術後の集中管理体制: シャントを閉鎖すると、門脈圧が急激に上昇するリスク(門脈圧亢進症)があり、術後数日間は特に危険です。24時間体制で厳重な集中治療管理(ICU管理)ができる環境が不可欠だと判断しました。
  3. 術式への理解: アルティのシャントは「脾静脈-後大静脈シャント」という特殊なタイプで、術式が確立されている病院で安心して任せたいと考えました。

決断した手術方法:「シャント血管の結紮術」

アルティが受けたのは、シャント血管を糸で縛って血流を遮断する**「結紮術」**でした。

シャントの閉鎖方法には、血管を完全に閉鎖する「全結紮」と、アメロイドリング(徐々に血管を狭める器具)を用いる「部分閉鎖」があります。アルティは、結紮による一時的な圧上昇の反応を見ながら、最も安全と判断された方法が取られました。

専門性の高い判断に基づき、成功率の高い方法を選択できたのは、二次病院を選んだ最大のメリットだったと感じています。

手術・入院費用の具体的な内訳(合計80万円超)

この病気の手術は、高額になることが多いです。私たちの場合は、診断から退院までで総額80万円〜90万円程度の費用がかかりました。

項目費用目安備考
術前検査費約20万円血液検査、レントゲン、エコー、造影CT検査など
手術・入院費約60万円〜70万円手術技術料、麻酔管理費、ICU管理費(1週間)など
総額約80万円〜90万円命を守るための費用です。

※金額は概算であり、病院や術式によって大きく変動します。

高額な費用でしたが、手術は無事成功し、費用以上に大切な命を取り戻すことができました。

💪 術後の試練と回復記録:生後7か月の戦いと驚異の予後

手術後の経過こそが、門脈シャント手術の成功の鍵を握ります。

入院期間(1週間)と門脈圧亢進症のリスク

アルティは1週間の入院となりました。

前述の通り、術後、シャント血管が閉鎖されることで、本来流れるべき場所(肝臓内の血管)へ一気に血流が向かいます。この時、一時的に門脈の圧力が高くなりすぎる**「門脈圧亢進症」**という合併症を起こす危険性があります。

アルティも厳重な集中治療管理のもと、術後の血圧や体調を細かくチェックされました。専門病院の24時間体制の監視があったからこそ、私たちは安心して任せることができました。

退院後の最大の課題:安静の確保

生後7か月は、まさに遊び盛り、やんちゃ盛り!

元気を取り戻したアルティにとって、退院後の安静の確保が最も大変な課題でした。激しい運動は腹圧を高め、回復中の傷口に負担をかけます。

  • 私たちの工夫: ケージをリビングの中心に置き、家族全員が常にアルティに声をかけられるようにしました。兄弟犬マックスとは完全に隔離し、遊びたい衝動を抑えるために知育トイやコングを活用しました。
  • 投薬管理: 術後の炎症を抑える薬や、肝臓をサポートする薬などを与えましたが、幸いにも下痢などの副作用もなくスムーズに経過しました。

予後良好を示す具体的な変化(体重の急増と元気の回復)

無事に抜糸が完了し、獣医師からも「予後良好」という言葉をいただきました。

アルティの体に見られた具体的な変化は、私たち家族にとって何よりの喜びでした。

  1. 体重がぐんぐん増加: 停滞していた体重が、術後から見違えるように増え始めました。これは、肝臓が正常に働き始め、栄養がしっかり代謝されるようになった証拠です。
  2. 食欲と元気の回復: 以前にも増して食欲旺盛になり、遊びへの意欲も爆発的です。
  3. 多飲多尿の解消: 異常な多飲多尿は完全に解消されました。

現在、アルティは手術前と変わらない、いや、それ以上に活発で健康な状態を取り戻しています。この驚くべき回復力は、私たち家族の希望そのものです。同じ病気と闘う飼い主様に強くお伝えしたいメッセージです。


🐾 まとめと、同じ病気で悩む飼い主様へ

門脈シャントは乗り越えられる病気

愛犬が重い病気の診断を受けた時、飼い主が感じる不安や絶望感は計り知れません。私たちもそうでした。

しかし、アルティの経験を通して、私たちがお伝えしたいのは、門脈シャントは適切な診断と手術で乗り越えられる病気だということです。もし今、愛犬が門脈シャントの診断を受け、不安に押しつぶされそうになっている飼い主様がいたら、どうか冷静になってください。

  • 疑わしい症状を見逃さないこと。
  • 経験豊富な専門医(二次病院)を選ぶこと。
  • 術後の管理を徹底すること。

これが、私たち家族の唯一無二の**経験**から得た結論です。

アルティはこれからも、私たち6人家族にとってかけがえのない大切な一員です。これからも元気いっぱいの様子をこのブログ(6人家族のLife Labo)で発信していきます。

アルティの健康を守るための日々の工夫

アルティが元気になった今、私たちは愛犬の健康を維持するために、フード選びや毎日のケアに特に気を配っています。愛犬の健康は家族全員の喜びであるとともに、愛犬の健康管理の重要性を改めて痛感しました。

  • フード選びの工夫: 肝臓の負担を考慮したフードの選び方や、サプリメントについてはこちらをご覧ください。[内部リンク:犬の健康的なフード選びの記事(https://hshfii-orpsp.fun/dog-health-food)]

また、我が家にはもう一人の大切な家族がいます。

これからも「6人家族のLife Labo」を通して、家族全員が健康で笑顔になれる生活のヒントを発信してまいります。

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